ヤスダ彩

1999 写真家

これはひと月前に書いた日記

 

 

シティ〜のみなさんご機嫌よう

いかがお過ごしでしょうか?

 

こちらは耳を澄ませば「今年の筍は不作だ」とか「〇〇さん家で子ヤギが生まれた」とかそんな話ばかり聞こえると思ったらいつの間にか水田が青々としてきており、夜な夜な蛙の大合唱も聞こえるようになり、名前のはっきりしない季節を感じているところです。

 

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田畑と共に育ったので四季よりも細かい季節の移り変わりをそれらから感じ取って生きてきたんだけど、高校から電車通学になりあまりそれらに目を向けなくなった以降はだんだんとその感覚を失ってしまった。そんなこんなでわたしも都会の人間ですねえ〜なんて思っていたわけだが、通りかかった畑に植えられている野菜の名前を当てるだけでしきりに感心されたりそこらに自生する野花の名をふと口にしただけで驚かれたりするのでまだそうでもないんだな、と思い改まった次第です。

 

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今後自分が上京して田畑から完全に切り離されたらどうなるんだろう?とよく思う。でもよくよく考えれば地元でもそういったものごとに関心の無い人は無いわけだし、都心部にいても些細な自然の営みに目を向けられる人はいるだろうし、結局は個々人の問題なんだろうな。別にわたしは己のこの性質を田舎くさいと憎む必要もないし、その反対側に位置する人々を心の貧しい人だと見下すこともないのだ。歩いて郵便局へ向かう。まだ青いヤマモモの実が落ちている、たわわに実った枇杷が枝をしならせている、近所の桑の木はいつの間にか護岸工事のために切られてしまった。もうすぐ離れる町の季節が変わっていくことをひとつひとつ確認して歩く。もう暑いね、アイス買って帰ろ〜

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